iPhone OS 4.0について

iPhone OS 4.0が発表されました。
だいたい、噂通りの内容でしたが幾つかの機能について言及したいと思います。


マルチタスクの実装について

リソースに制限のあるスマートフォンであること
ユーザに複雑なUIを提案して困惑させたくないということ


を考えると、落としどころとしては妥当だったのではないかと思います。
やはり完全にマルチタスクを開放して自由にできるようになると、リソース不足に陥ることは用意に考えられます。
また、そうなるとタスクマネージャを起動してアプリを終了させるというような、Windows Mobileで不満の一つだった操作が必要になります。
それをユーザにさせてしまうという事はユーザエクスペリエンスの低下に繋がる可能性が出てきますから、うまい実現方法を見つけたものだなと思いました。


・メールアプリのバージョンアップについて
既存ユーザとしていえば、マルチタスクも嬉しいのですが、メールのinbox統合も嬉しいですね。
今まで、違うアカウントのメールを見るためにイチイチ一番上の階層まで戻ってアカウントを選択してinboxを選択するという、かなりめんどくさい操作で不満に感じていました。
4.0からは、複数アカウントをひとつのInboxで見られるということですので、便利ですね。
また、スレッド管理機能もメーリングリスト等を利用していると嬉しい機能です。
今のバージョンのメールアプリだと、たまに縦横の切り替えを行うとメール本文欄が真っ黒になってしまい何も見られなくなる現象がありますが、これが改善されていればよいなと思います。


BlueToothキーボード対応について
どちらかと言えば、BlueTooth経由での曲送り・曲戻しこそ対応して欲しかったですね。
もしかしたら対応しているのかもしれませんが・・・。
iPadならBlueToothキーボードの意味がありますが、iPhoneの場合はあまり活躍の場は無いかもしれません。
バッテリーの問題も出てきそうですね。


・iAdについて
今後、優良な無料アプリが増えていくことが容易に予想出来ます。
もちろん、今までもadmod等サードパーティのものがありましたが、やはり標準のAPIで組み込めるということと、アプリ内で完結できるということはメリットとして大きいのではと思います。
無料アプリは有料アプリに比べて圧倒的にダウンロードされていますし、アプリに組み込むだけで広告収入の60%を得られるというのは開発者にとって有料アプリを公開するよりもリスクが低いと言えます。
(有料アプリは収益の70%が開発者のモノになるが、返金対応時100%を開発者が負担しなくてはいけないので、一定のリスクがある。)


・カメラアプリについて
デジタル5倍ズームが搭載されますが、所詮デジタルズームですから、あまりうまみはないかもしれません。
ただムービー時にタッチでフォーカスする機能が有効になったのは嬉しいかもしれません。


・クロスコンパイラの禁止
これは開発者にとって、あまり嬉しくないことですね。
FlashやMonoTouchで作ったアプリが禁止されます。
しかしながら、アップルの元来クローズドな企業姿勢を考えると一貫性はありますね。
個人的にはMacBookを持っているもののWindows等で開発できると嬉しかったのですが・・・。